【大分・長湯温泉】有名建築家が手がけた立ち寄り湯4つ

別府、阿蘇という2大観光地の中ほどにある長湯温泉。世界でも指折りの湧出量をほこる炭酸泉ですが、ここの魅力はそれだけではありません。

狭いエリアに有名建築家が設計した立ち寄り湯が4つ密集しているのです。

ラムネ温泉館 by 藤森照信

長湯温泉の名にピンとこなくともこの三角屋根に「見たことある!」となる人は多いでしょう。

設計したのは藤森照信氏。「ジブリっぽい」と評されるような建物を多く手がけていて、ラムネ温泉館でも定番アイテムの焼杉、漆喰、銅板が用いられています。屋根てっぺんの松の木もお馴染みですね。

浴室内も藤森節が全開です。うねっとした曲線が多用されていてまるで洞窟にいるかのよう。

露天風呂では炭酸泉としての実力を発揮。全身がビックリするほどの気泡に包まれます。花王の入浴剤「バブ」の13倍の炭酸濃度だとか。

ちなみにラムネ温泉とは作家、大仏次郎氏がその旅行記において「まるでラムネの湯だね」と著したことに由来します。

とぼけたキャラクターは南伸坊氏によるデザイン。藤森さんらが所属する路上観察学会の一員です。

とにかく人気の立ち寄り湯。オープンは2005年と結構な年月が経過していますがそのユニークな姿でいまだ多くの観光客を惹きつけています。

■営業時間
10:00~22:00

■休館日
毎月第1水曜日(※1月と5月は第2水曜日に移動)

■入浴料
大人500円

御前湯 by 象設計集団

温泉街の中心を流れる芹川のほとりに立つ御前湯。歴史は古く、始まりは江戸時代にまで遡ります。長湯温泉が「日本一の炭酸泉」として評価を高めていた1998年、そのシンボル施設として立てられました。

設計したのは象設計集団です。沖縄の名護市庁舎などが有名ですね。

芹川と御前湯(パンフレットより)

建物外観がドイツ風なのは炭酸泉そして温泉療養の先駆者であるドイツとの関係の深さゆえ。昭和10年築の先代の浴場もドイツ風洋館だったといいます。

玄関前にある飲泉場。誰でも利用可能

炭酸ガスを多く含む温泉の飲泉は胃腸の働きを活発にし、水分の吸収を助けます。

長湯温泉に深く関わり、ドイツ式の温泉療養の考えをもたらした九州帝国大学教授、松尾武之氏は
「飲んで効き 長湯して効く長湯のお湯は 心臓胃腸に血の薬」
という歌を残しています。

■営業時間
6:00~21:00

■休館日
毎月第3水曜日

■入浴料
大人500円

温泉交流館みつばちの湯 by 首藤廣剛

シュッとしてモダン。田んぼの隣というロケーションが素敵です。

浴室は小さめで、温泉交流館の名が示すようにどちらかというと地元の方向けといった感じ。つまり穴場。

大分で活躍する首藤廣剛氏による設計です。浦辺鎮太郎のお弟子さん。建物はみつばちの巣のような六角形を組み合わせた平面になっています。

■営業時間
8:00~20:00

■休館日
毎月第2火曜日

■入浴料
大人300円

クアパーク長湯 by 坂茂

2019年6月オープンの最新施設。「紙管」で知られる世界的建築家、坂茂氏が設計しました。

大きく立派な建物ですが、温泉は外まで続いているのです。

運動浴という海外発の温泉療法を本格的に持ち込みました。屋外に向かって伸びる「歩行湯」は長さ50m。

温泉棟のほか宿泊用のコテージ、レストランも併設した本格的なクアハウス(温泉利用型療養施設)です。

■営業時間
10:00~20:30

■休館日
毎月第1・第3水曜日・木曜日

■入浴料
大人500円

ほかにガニ湯といった外湯もある長湯温泉郷。どれに入るか迷ってしまいそうですが建築家、建物の好みで決めてしまうのも一興です。

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