閉鎖目前の京都・立誠小学校のカフェで昭和を味わう

間もなく改装工事が始まる京都・木屋町の元立誠小学校。その校舎で唯一立ち入れるカフェに行ってきました

訪問は2017年12月後半。

校舎には「ありがとう。立誠小学校」と書かれた大きな垂れ幕がかかるなどサヨナラモード全開。工事の看板が立ちグラウンドにはトラックや資材が置かれていました。

そんな中にあってカフェは変わらずに営業中。アールデコの風格ある玄関を抜けると正面に

『トラベリングコーヒー』の札が掛かります。

扉を開けるとふわっとした風。ストーブの暖かさに体が包まれました。

オレンジの光が雰囲気に絶妙にマッチします

職員室仕様の黒板。

「職員動静」に時代を感じますね。

で、これがメニュー。私は「ほうじ茶復刻版宇治かほる」(300円)を注文。

いま改めてメニューを確認したら思いっきりアルコールありますね。小学校…しかも職員室で飲酒。なかなかの不良です^^

木製の味のある椅子からパイプ製、革のソファーまで色んな椅子が並びます。いくつかは現役当時から使っているものでしょうね。机も丸から四角まで様々

この傷は何年製だろう。私の年齢を超えていることは確かです。グラッグラなので座ったら一瞬で崩れそう。

ちなみに立誠小学校は明治2年に開校。当時は木造校舎でしたが昭和3年に鉄筋コンクリート造(←校舎では京都現存最古)で新築しました。生徒数減により平成5年に閉校。約120年の歴史を閉じましたがその後も映画館や地域イベントの場として活用されていました。

カフェの一角には完成間もないであろう立誠小学校校舎、中庭にあったプール、職員室の写真などが飾られます。「映画原点の地」であることに因んだ展示も。

これから本格着工する工事ですが勘違いがちょっと散見されます。校舎全部を解体するわけではありません。大半を「保存再生」して店舗などに貸し出します。しかも“極力現状を活かして”だと以前に聞きました。

完成イメージの大きな建物が新築されるホテル棟。見逃しそうなほど小さな校舎がその前方に描かれています。(画像資料:ヒューリックのプレスリリースより)

リニューアル方針は「極力現状…」ですが勿論全てが元のままではありません。窓ガラス、窓枠は新しいものに取り替えられます。

窓の外に見える講堂、北校舎の半分は解体

年季の入った空調スイッチなんかも残らないでしょう。

剥落が酷い天井もきっと塗り直し。

そしてこの元職員室は(以前聞いた話では)壁を入れて3等分するそうです。広すぎて耐震的にマズイんだとか。カフェは校舎リニューアル中は運動場の仮設店舗に移って、工事完了後はふたたび校舎に戻ります。

ちなみに休日昼間の訪問だったんですが入店から退店まで1時間近くずっと店員さんと私だけ。独占状態でした。

いつ校舎が閉鎖されるのか正確には決まってませんが遅くとも春の始めまででしょう。つまりあと1〜2ヶ月程度。この空間を体感できるのは今が最後です。

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