加賀宝生の能文化を継承・発信する専門施設として2006年に開館。 金沢市広坂の文化ゾーンに位置し、金沢21世紀美術館や兼六園に隣接する。 館内は1~2階が展示空間、3階が研修室で構成され、佐野家伝来資料(市指定文化財)を含む約3,100点の能面・能装束を収蔵。 能舞台模型や映像・ARによる解説のほか、着装体験や能・狂言絵本コーナーも備える。
併設の「金沢・クラフト広坂」では加賀象嵌や加賀繍など希少な伝統工芸品を展示・販売しており、地域文化の複合的発信拠点として機能している。
加賀宝生(かがほうしょう)
加賀藩五代藩主・前田綱紀が宝生流を藩内に導入したことに始まる金沢の能楽文化。
藩の保護により武士・町人層に広まり、独自の謡や所作が形成された。
明治維新後は佐野吉之助らの尽力で再興され、現在も金沢能楽会などを通じて伝承されている。