1934年に福井信託の社屋「福井信託ビル」として竣工した歴史的建造物。 1945年、近隣に本社のあった酒伊繊維工業(戦時中のみ酒伊通信工業)の駅前事務所「酒伊ビル」となったのち、福井空襲で焼け出された福井連隊区が司令部を置いた。 戦後は連合国軍の接収を受けている。 1979年からは中央信託銀行(現・三井住友信託銀行)の福井支店ビルとして使われている。
1948年の福井地震でも倒壊を免れた数少ない耐震建築として知られる。 隣接していた旧大和百貨店が全壊した中、酒伊ビルは外壁・構造ともに健在だった。 昭和初期の意匠を残す内装は非公開ながら保存状態が良好で、平成19年には「福井市民の誇り百選」に選定された。 なお、酒伊繊維工業はサカイオーベックスと名を変え、現在も存続している。