その新たな需要に応えるため2期島に国内初のLCC専用ターミナルが建設中です

上の写真は2012年4月の撮影。
LCC専用ターミナルは質素な平屋建て。
これは成功例として名高いマレーシアのクアランプール国際空港やシンガポールのチャンギ国際空港のLCCターミナルを踏襲した施設だと思われます。
格安運賃を実現するためあらゆる倹約に励んでいるLCCにはレンゾ・ピアノ設計の豪華な旅客ターミナルビルはオーバースペック。
LCCにとっての"無駄"を排除し、いかに安く、いかに効率的に機体を運用するかを追求した施設がLCC専用ターミナルです
コスト削減のためLCC専用ターミナルには例えば次のような特徴があります。
バス、または徒歩で機体のそばまで行って、そのまま搭乗すれば、
ボーディングブリッジ(搭乗橋)の使用料を浮かせられます。
航空機は自力でバックできないのでバックさせるための専用車両「トーイングカー」で機体を
押し出してもらいます(プッシュバック)。
これを機体をターミナルにたいして斜めに駐機するなど、その場で自力で旋回できるようにすれば
「トーイングカー」を使用しないですみ、費用を抑えることができます
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LCC専用ターミナルが建設されるの関空の2期島、表示されている地図の中央部分になります。
駅やメインターミナルから離れていて少し不便な場所です。しかし、そのぶん使用料を抑えることができます。
また、B滑走路(第2滑走路)を利用するにも便利です。B滑走路は使用料が安いですがエプロンから遠く、航空機が地上走行によって多くの燃料を消費してしまいます。また、時間もかかったため従来は使用が敬遠されていました。
LCC専用ターミナルへはメインターミナルからのバスが主なアクセス方法となるようです。そのために2期島への道路も新たに整備されます。
完成予想図には一般車の駐車場らしきものもありました

A滑走路(第1滑走路)で離陸準備をするピーチ・アビエーションの機体
関空を拠点に国内外へと路線をのばすピーチ・アビエーション。
今回建設されるLCC専用ターミナルは実質ピーチ・アビエーションの専用施設となるとのこと
(現在peachの国内線の出発手続きはエアロプラザで行なっています。)
LCCターミナル概要
9機分の駐機スポット
延床面積約30,000㎡(ターミナル施設約20,000㎡/搭乗コンコース約9,000㎡)
設計は竹中工務店
2012年秋に供用開始予定
2011年の関空の年間旅客数は約1300万人。
ピーチは就航5年目には目標旅客数年間600万人を目指すとしています。
※アジア最大のLCC「エアアジア」が拠点とするマレーシア・クアラルンプール国際空港では
LCCターミナルがメインターミナルの利用客を追い抜く勢いだそうです。
LCCの活況は利用低迷に悩んできた関空が浮揚する大チャンス。
地方からの国内線が充実→乗り継ぎが便利に→新たな国際線が就航、という好循環を期待したいです。