おぉ~綺麗だ!2013年から工事が始まった記憶があるのでその全景を拝むのは約2年ぶり。 近年、中之島エリアではダイビル本館や新朝日ビルディング、大阪朝日ビル、新ダイビルなど貴重な建築が次々と建て替えられました。 このビルも建て替えが検討されていたと聞きます。残す英断を下した三井住友銀行さんに感謝です。
ライトアップ時間は平日の日没から夜9時まででこの日は7時チョット前に点灯。 風が無かったので土佐堀川に映る姿が撮影出来ました。ちなみに左の建物は住友グループ各社が大阪拠点を置く住友ビル本館。 北浜4丁目付近はグループ関連ビルが集積することから“住友村”とも呼ばれています。
三井住友銀行大阪本店ビルの外観の見どころは正面と側面にある重厚な玄関。イオニア式の柱頭をもつオーダーが見事です。 一番最初にこの玄関を見た時はインディージョーンズのテーマ曲が頭の中を流れました。扉を開けたら壮大な冒険が始まりそう。 ※実際に内部空間も圧巻。大阪本店営業部として現役稼働中なので昼間は普通に立ち入り可能です
ライトアップによって細かな凹凸が浮き上がり、窓の陰影が生み出されています。外装には竜山石を用いた擬石を多用。 リニューアル工事に外装の洗浄も含まれていたと思いますが適度にくすみが残っていてイイ感じ。
三井住友銀行大阪本店ビルは大正15年、住友銀行および住友合資会社(住友財閥の統括会社)の本社屋「住友ビルディング」として完成。 ある建築評論家をして「日本一の名建築」と言わしめました。※全体竣工は昭和5年
しかし、この建築は思い描かれていた形では完成していません。 当初は住友財閥の威信をかけた地上7階建てビルとして計画されていました。しかし着工後に発生した関東大震災の影響をうけ地上5階+屋上階付に規模が縮小されているのです。
心血を注いで設計に携わった長谷部鋭吉、竹腰健三の両氏は大層悔しがったとか。 なお、このビル建設のために組織された住友本店臨時建築部を源流とするのが、いまや日本最大の設計集団となった日建設計です。
監視カメラなからましかばと覚えしか。
住友財閥にとってこの本店ビルは「百年の大計」でした。今回のリニューアルによって無事100周年を迎えられることが決定的になりました。 高層化著しいエリアだからこそその存在感が際立ちます。これからも威厳を保ち続けていってほしいものです。