OBPの開発状況と空き地


高さ150mの超高層ビル4棟を筆頭に高層ビルが林立する大阪ビジネスパーク(OBP) 1980年代から1990年代に副都心計画として開発され、クリスタルタワー、ツイン21、大阪東京海上日動ビルなど大阪を代表する美しいビルが誕生しました。 しかし2000年以降に完成したのは住友生命本社ビル(01年)、マルイトOBPビル(05年)に留まるなどエリアは停滞期に突入。オフィス空室率も高止まりが続いており相対的に存在感は低下していきました。


しかし!
2013年に突如明らかになったKDDI大阪第2ビル開発計画を皮切りに、パナソニック大阪京橋ビルの解体&20階建て程度への建て替え、地権者組織のOBP開発協議会によるエリアの用途拡大方針など それまでの沈黙が嘘のように積極的なニュースが相次ぎました。一気に今後の注目エリアに踊り出たOBP。2014年8月時点の開発状況、そして将来の開発が期待される空き地の様子を紹介していきたいと思います。


OBP再活性化の先鞭をつけるべく着工したKDDI大阪第2ビル。タワークレーンが2基立ちました。 既存の第1ビル(右)隣接地に2015年6月に完成予定。 約700ラックを収容するグローバルデータセンター「TELEHOUSE OSAKA 2」が設置されます。

KDDI大阪第2ビル概要

■階数:地上20階 塔屋2階 ■高さ:130m ■建築面積:2,697.89m2 ■延べ床面積:35,945.99m2 ■主要用途:通信局舎・事務所 ■建築主:KDDI ■設計者・施工者:大林組 ■竣工:2015年6月


続いては旧パナソニック大阪京橋ビルの解体状況です。
1974年に松下電工ビルとして竣工しました。OBPの本格的な開発が始まる遥か以前の完成で、過去写真では広大なエリアにポツンと立っている姿が印象的です。 低層部にパナソニックのショールームが入っていましたがグランフロント大阪に移転。 解体作業はビル設計、施工を手がけた竹中工務店が請け負っています。
ビル後方左の超高層ビル、ツイン21パナソニックタワーはパナソニックの一棟借りで本社機能を一部担っていますが近年はかなりの空きフロアが発生している模様…。


パナソニック大阪京橋ビルがまだ現役稼働中だった頃の写真です。
建物規模は地上8階地下1階建てで延べ床面積は17,143.04m2。敷地面積は3,698.55m2です。 OBPの容積率は全域で400%設定ですが、このビルは容積率487.16%に割り増しされています。 報道では「20階建て程度のオフィスビルに建て替え」とありましたが、もしこの敷地面積、容積率のままで開発すると恐ろしいペンシルビルになります。 なので容積率の大幅な割り増し、もしくは隣の駐車場棟(または大阪ビジネスパーク円形ホール)の敷地を含んだ一体的開発が必須になります


次は今後の大規模開発が見込まれるOBPの空き地の状況をみていきます。
現在、駐車場用途で用いられている2ヶ所がその候補地。第二寝屋川に沿った駐車場は隣接するシアターBRAVA!(2016年閉館)の敷地をあわせて約12000m2の広さがあります。 大阪城を一望できる立地です。

追記(2014.8)
読売テレビ放送が新社屋建設を発表!高さ80mの高層ビルを建設し、2019年8月に移転してきます。 ということは同じOBPエリアにある現本社の今後も気になるところ。普通のオフィスビルへの転用は難しい気もするので建て替えの可能性が高そうです



1988年完成の読売テレビ放送の現本社ビル。14階建ての高層棟(オフィス機能)と6階建ての低層棟(放送スタジオ)で構成されています。敷地面積は8264m2です。


遊休地のもう一つがOBPのエリア中央部、富士通関西システムラボラトリとKDDI大阪第2ビル(建設中)の間にある駐車場です。 面積は6000m2強くらいでしょうか。OBP開発協議会によるOBPの住居、病院、学校への用途拡大方針がありますが、それが適用される土地になるかもしれません。地権者は富士通です。


この風景がどのように変わるのか、どのような都市に変貌していくのか。
これからもウォッチしていきたいと思います。 OBPの10年後が楽しみです!


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