災害救護や慈善活動を展開する日本赤十字社の拠点。 ビル名称は日本赤十字社ビル。創立100周年となる1977年に黒川紀章の設計で完成した。 芝大門1丁目、都営地下鉄御成門駅から徒歩3分の場所に立っている。
ブラジル産御影石とハーフミラーガラスの外装で、建物中央部のスリットは赤十字の基本理念である「善意への無限の広がり」を示している。 旧社屋の便殿の意匠を特別会議室に復元したほか、扉やシャンデリアの一部も再利用。貴賓室も設けられ、宿泊室も備える。 また、館内には東郷青児や小磯良平といった一流芸術家たちの作品が展示されている。
旧社屋は1912年竣工の壮麗な赤レンガ建築だった。建て替えに当たって、正面階段、正面2階の大理石製柱が明治村に移設された。 新社屋の設計案を競ったのは丹下健三、北代礼一郎、黒川紀章の3名で、協議の結果、黒川紀章案が採用された。
日本赤十字社
1877年創設の博愛社を前身とする人道支援組織で、1952年に日本赤十字社法に基づく認可法人として再編。全国に91病院・47地域血液センターを展開し、災害救護・医療・献血・福祉・国際支援など多岐にわたる活動を行う。職員数は約6.8万人。