大阪市に2015年に完成した建物

オフィスビル編

2013年にグランフロント大阪、2014年にはあべのハルカスの開業に沸き立った大阪。 直近2年に比べると2015年は落ち着いた1年になりましたがそれでも魅力的なオフィスビルが次々と竣工を迎えました。 2015年の総決算として私が把握している主要18棟を紹介したいと思います。


新ダイビル

地上31階 最高高さ148.50m 延べ床面積76,074m2
大阪市北区堂島1丁目2-1

堂島川沿いにあった新ダイビル(地上9階地下4階)の建替えプロジェクト。 周囲に整備された緑化空間にはシンボルだった4対の羊のオブジェが飾られました。 旧ビルに倣って屋上の一般開放を期待しましたがさすがに無理でしたね。 丸紅、ITホールディングスが核テナント。


清和梅田ビル

地上21階 最高高さ106.15m 延べ床面積23,791.29m2
大阪市北区曾根崎2丁目12-7

旭屋書店本店と梅田第一ビルを一体的に建て替えました。 敷地面積が狭く超高層ビルを全く予想していなかったので計画判明時は小躍りして喜んだ記憶があります。 「大阪神ビル(阪神百貨店)も建て替えたら阪急・阪神前交差点の谷間感が凄いことに…」 と当時書いてましたが2015年はその実現に大きく前進した年でもあります。


KDDI大阪第2ビル

地上20階 最高高さ130m 延べ床面積52,000m2
大阪市中央区城見2丁目2-72

長らく停滞状態にあったOBP。KDDIによる高さ130mの超高層計画は突如明らかになり、あっという間に完成に至りました。 一部を除いてデータセンターなど非事務所用途が主です。 周辺では新MID大阪京橋ビル(仮称)と読売テレビの新社屋開発も決定。OBPのスカイライン更新が続くなんて少し前までは考えられませんでした。


日本生命本店東館

地上15階 延べ床面積60,449.86m2
大阪市中央区今橋3丁目1-11

淀屋橋の“日本生命村”に誕生した新顔。 大阪市内に分散していた事務機能を本店本館、南館、東館の3棟に集約しました。 景観調和を図って外装には本館と同じ花崗岩を用いましたが、これだけの量は国内ではもう調達できないので、瀬戸内産の本館に対して東館は中国(だったかな?)からの輸入で賄いました。 時期を同じくして南館も花崗岩の外装にリニューアルしています。


田辺三菱製薬本社ビル

地上14階 延べ床面積16,998.41m2
大阪市中央区道修町3丁目2-10

2009年、田辺三菱製薬の本社移転にあたって各メディアは一斉に「道修町の地位低下」を報じました。 移転先は歩いて5分ほどの距離でしたがアドレスが道修町でなくなることに一抹の寂しさを覚えたものです。 そして、今回の再移転!武田薬品、塩野義製薬、田辺三菱製薬のかつての道修町御三家復活です。 ビル内には道修町の歴史を紹介する史料館も設置されました。


HK淀屋橋ガーデンアベニュー

地上14階 延べ床面積16,929.65m2
大阪市中央区伏見町4丁目3-9

御堂筋沿いですら地盤沈下が叫ばれる昨今。その裏手側ではオフィスビルが取り壊されタワーマンションやホテルに建て替わる事例が相次いでいました。 阪和ビルもおそらく…と悲観していたら、テナントフロアを備えた延べ床面積1万5000m2超のオフィスビルへの再開発。喜ばしいことです。


日本経済新聞社大阪本社ビル

地上10階 延べ床面積16,929.65m2
大阪市中央区高麗橋1丁目4-2

2代前の大阪本社ビル(日経高麗橋ビル)は建物四隅を褐色タイルで広く覆う姿が印象的でしたが、 建て替わった新ビルでは南東隅の黒い石壁を垂直に伸ばす事でインパクトを強めています。 日経が所有する隣接ビルとの一体的開発を期待しましたが実現には至らず。 輪転機は大手前の前本社に残しました。 ちょっと前に中之島フェスティバルタワーを開発&移転した朝日新聞社も印刷機能は移転先に設けず海老江に移しています。 距離0での即時反映を求めた過去と通信ネットワークが発達した現代との違いでしょうか。


以降はちょっと簡単に…

北浜一丁目平和ビル

地上9階 延べ床面積5,562.57m2
大阪市中央区北浜1丁目1-14

平和不動産による大阪証券会館本館の建て替え事業。 明治期に大阪会議が開催された料亭「花外楼」が下層階に入居しています。


チュチュアンナグループ本社ビル

地上8階 延べ床面積5,596.96m2
大阪市中央区森ノ宮中央1丁目10-14

同社の主力製品のひとつである「靴下」がデザインモチーフ。 インパクトのある段々がビル裏側なのがちょっと残念。


カプコン研究開発ビルS棟

地上8階 延べ床面積2,054.38m2
大阪市中央区内平野町3丁目1-14

ゲーム開発の陣容拡大に向けて既存の研究開発ビルに併設して建てられました。 更に規模の大きいN棟は2016年初旬に完成します。 私のゲーム歴はプレイステーションで終わっているので最新のゲーム事情は??ですが 少し前までカプコンがひとり気を吐く状態だったのは知っています。スマホゲームへの移行が上手く進んでいることを願います。


NTTコミュニケーションズ大阪第5データセンター

地上11階 延べ床面積12,530m2
大阪市西区西本町2丁目2-16

長堀通沿いに完成した大型データセンターで1600ラックが収容可能です。


ENDO堺筋ビル

地上9階 延べ床面積4,535.87m2
大阪市中央区備後町1丁目7-3

LED照明の普及で業績を急拡大させている遠藤照明の新本社ビル。 綺麗にライトアップしているのかなとまだ見ぬ夜の姿に期待を高めています。 テナントフロアを設定していますが当初は1棟丸ごと使う計画だった気が。 徒歩圏内にある旧本社は築年数が浅く大阪事業所として継続して活用中。


ORE本町南ビル

地上11階 延べ床面積8,873.68m2
大阪市中央区博労町3丁目3-7

心斎橋の商店街沿い(丸善跡地)に完成。 新規のテナントオフィスビルとしては意外な立地です。低層2フロアには店舗が入居。


ケイディーエス本社ビル

地上6階 延べ床面積1,979.31m2
大阪市北区南森町2丁目4-1

2015年に三宅計器からケイディーエス(KDS)に社名変更しました。


大阪私学会館

地上4階 延べ床面積3,008.75m2
大阪市都島区綱島町6-2

旧会館を建て替えました。会議室等が主なのでオフィスビル…と呼ぶには少し違和感がありますが。


MF桜橋2ビル

地上11階 延べ床面積2,344.36m2
大阪市北区曽根崎新地2丁目6

事業主の前田不動産は梅田エリアを中心にオフィスビルを50棟弱所有。 「千代田」「八千代」が付くビルが大半ですが新築や建て替えビルは「MF」ブランドで統一しています。


日本コムシス大阪TS

地上6階 延べ床面積7,623m2
大阪市住之江区平林南2丁目

TS(テクノステーション)はネットワーク・データセンタ構築など情報通信に関わる工事を行うための事務・倉庫拠点です。 完成後の姿はまだ撮影していないので建築計画のお知らせにあった立面図を。


天満橋京町ビル

地上10階 延べ床面積6,773.43m2
大阪市中央区天満橋京橋

京阪シティモールの向かい側にみずほ銀行が開発した事務所ビルです。土佐堀通りに向かって少しだけ湾曲しています。 自社グループでの使用が主かもしれません。


いかがでしたか。 2016年もウォッチしていきたいですが、中規模レベルのオフィスビルすらほぼ無いような気が…。 次の大型供給は2017年春の中之島フェスティバルタワーウエストまで待たねばなりません。

続いては第2弾。 2015年完成のタワーマンション・商業施設・ホテル編です