近鉄奈良駅から北に2km。中心繁華街から少し外れた場所に明治の五大監獄のひとつに数えられる旧・奈良監獄(1908年完成)がある。 中央看守所・事務所を中心として5つの舎房が放射状に伸びる姿はほぼ当時の形を留めており、2017年に国の重要文化財の指定を受けた。 少年刑務所としての機能は同年3月に終えており、今後はホテルを中核とする複合施設として再生する。
建物は赤レンガを積んだロマネスク様式。 同時期に竣工したほかの4監獄(千葉、金沢、長崎、鹿児島)が時代とともに役割を終え、解体もしくは一部保存となるなか、 奈良監獄は奈良刑務所に改称後、奈良少年刑務所への用途変更を経て2008年に100周年を迎えた。
全景を眺める。敷地面積は10万6,000m2。西側背後には
2016年まで奈良ドリームランド跡地が残っていた
老朽化を理由に解体の予定だったが、市民などの働きかけによっての保存活用が決定。 当初はソラーレホテルズアンドリゾーツなどがホテルへの改修運営を手がける予定だったが、星野リゾートにプロジェクトが引き継がれた。 2024年に開業予定。監獄の歴史などを伝える建築行刑史料館も整備される。